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1,575円 テレビの「サザエさん」を見ていると、ときどき不思議な感覚に襲われることがある。磯野家の造作や家具類は、見覚えがあり、親しみ深いモノばかり。ところが、現実に戻って我が家を見回すと、テレビも冷蔵庫も扇風機も、同じ物が見当たらない。どれも、ほんの少し前に、我が家から消えたものなのだ。
そんな、ありそうでない「サザエさんの家」が、本書の中にあった。昭和26年に当時の住宅金融公庫の融資を受けて建てられた木造2階建ての小泉家住宅が、いまも「昭和のくらし博物館」として、当時のままの姿で生き続けている。玄関を入ったところが板の間で、次が茶の間、左手がぬれ縁。奥の6畳間から、いまにもカツオやワカメ